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新しいムーブメント、猪名川町で始動!

「RUN伴」=認知症の人と接点がなかった地域住民と、
認知症の人や家族、医療福祉関係者が
一緒にタスキをつなぎ日本全国を縦断するイベント

令和元年11月2日(日)に道の駅や猪名川高校を起点として、日生中央駅・人の広場をオレンジ色のTシャツに染めた「RUN伴いながわ」。
正式にはNPO法人認知症フレンドシップクラブが主催する全国的なイベント、認知症テーマカラーのオレンジを身にまとい、北海道から九州までたすきをつなぎながら、認知症の人にやさしいまちを目指す地域をつなぎ、社会を変える大きな力にするというミッションに共鳴して、今回、猪名川町も初参加。

福祉関係者が発起人となり、当事者や一般の健常者、高校生や中学生や児童たちも、ボランティアとして積極的に関わって認知症に対する意識を芽生えさせるには一定の成果を上げたように思われる。特に能勢電鉄のご協力を得て、迎えに来てくれた川西のゆるキャラ「きんたくん」と一緒に猪名川のゆるキャラ「いなぼう」が電車に乗って、たすきを川西能勢口まで届けたことは、たまたま乗り合わせた方達にも今後のPRにもなったことでしょう。猪名川町での参加者は推定100人を超えています。近隣の市町村でも住民の参加比率は多く、住民の当事者意識も高いことが伺えます。

令和元年のRUN伴は6月29日(土)稚内や富良野を皮切りに8月17日(土)に青森、東京、兵庫、11月10日(日)に最終・熊本到着。通過した都道府県36、通過した市町村503、ランナー総数19446人という結果。また活動に賛同して台湾でも同じ行動を起こした状況をFacebookで見ることもできます。今回RUN伴いながわは、認知症を身近に感じてほしいという思いをもってこの全国的な活動に参加。

認知症の方は、余程重度でなければ家庭で普通に生活されおり、今あなたの隣で歩いている人が認知症の可能性もあります。優しく気軽に声掛けして、少しでも病気の進行を遅らせるためにも、当事者を見守りながらみんなが住みやすいまちづくりの意識を持つきっかけにしたいと参加になりました。

認知症という病気は皆さんもいつなるかわからない、若くして発症する場合もあり、正しく認知症のことを知らなければいけないと思います。そもそも認知症とは、脳細胞の死滅や活動の低下で認知機能に障害が発生、生活が困難になる病気です。大まかに脳の発症部分や言動の違いによって、以下の5種類に分かれます。

★アルツハイマー型は、脳の神経細胞が減って脳の海馬という部分から順次委縮する現象で、徐々に進行する。具体的には過去の体験全体を忘れ、ヒントをもらっても思い出せないや、新しいことが記憶できない。時間や場所が混乱し、物取られなどの妄想・ひとり歩きなどの症状が現れる。
★レビー小体型は、異常たんぱく質(レビー小体)が大脳を広く覆う現象で、日によって認知機能の良し悪しを繰り返し進行する。具体的には幻覚や睡眠時の異常行動(怒ったり奇声を発する)、抑うつ症状や手足の震え、日によって調子の変動がみられる。
★前頭側頭葉型は、未だ原因がはっきりしていないが、脳の前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ壊れていくことで、具体的には他人配慮の欠如や状況を無視した自己中心的な行動など、性格変化・行動異常が顕著に現れ、発症初期から毎日定刻に同じ行為をするというこだわりが目立つ。
★脳血管性型は、脳梗塞や脳出血が原因で発症し、発症場所や障害の程度で症状は異なり、できることとできないことが比較的はっきり分かれる。
★その他としては、アルコール性型、混合型など各種あります。

発症初期にはご本人も意識がはっきりしていて、自分自身も進行が不安で、誰に、どこに、どのように相談すべきか、また発症を他の人に知られることに否定的であることは想像にむつかしくありません。
認知症の診断を下せるのは医師のみです。猪名川町の認知症サポート医は坂田診療所の坂田先生です。地域包括支援センターが生活面の相談や介護保険などのサポートをします。

ただ、はっきりしないけどしんどい、なんとなく不安だという方は、オレンジCafeに顔を出してみたり、傾聴ボランティアのみみい~な、民生委員児童委員の心配ごとの窓口で相談すると、個人情報を守った上で地域包括支援センターとの間を繋いでくれます。
少しでも家族や近隣の人たちとのコミュニケーションを持って、自分の認知症が進行して、生活に支障をきたした時でも、安心して暮らしやすい町にと誰もが思う猪名川町であってほしいのです。

昨今全国的にも、ご家族がちょっと目を離している間にご家庭から出かけて行方不明となられ、遠方で保護される方や残念にも亡くなられた状態で発見されたり、未だ行方不明の方などがニュースにも取り上げられ、その数は猪名川も例外ではありません。まち協や自治会では各々のSOSネットワークシステムを立ち上げて、地域包括支援センターや認知症キャラバンメイト主催で認知症行方不明者捜索訓練を開催し、広く住民を巻き込んだ見守りや支援プログラムを啓発・認知してもらう努力が行われ、猪名川町では松尾台、伏見台、若葉、白金、つつじが丘、北田原、清水等では既に各々マニュアルが作成・運用されています。一人でも多くの協力者が増えてほしいと願ってやみません。

他人に初めて声を掛けるのはむつかしいものです。相手に不信感を持たれないように、どのような方向から、どんな顔をして、どのような言葉を、どのような話し方ですればいいのか、皆さんもゆっくり考えたり、訓練を体験してみると良いですよ。

行方不明者捜索訓練の様子

坂田診療所:072-766-5200(猪名川町紫合字古津ヶ平157-3)
猪名川町地域包括支援センター:072-764-5812(猪名川町北田原南山14-2)
オレンジCafe:(不定期開催、日程・場所は広報いながわ参照)
傾聴サロン:毎月第4月曜13:30~15:00(イオン猪名川店)
心配ごと相談:月3回火曜10:00~12:00(日程・場所は広報いながわ参照)

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arase

猪名川には30年以上住んでいて、人生の半分を超えました。 町内、これからも遊びまくりたいと思っています。