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【移住ファイル7】ここは静かな大人のたまり場

仕事が休みの時に来ては好きなことをする。
仲間が集まる。自由を楽しむ。
四季折々の花を楽しむ。人生を楽しむ場所。

現在も池田に住み、宿泊することはほぼ無いというが、庭に沢山の宿根草を地植えして開花や実を結ぶ季節を眺めるのが好きという。
2015年この地を購入。二軒隣には国指定登録有形文化財、多田御家人屋敷「仁部邸」がある。とはいえ元、分家筋の仁部氏所有地で、譲り受けた時母屋は撤去されていて倉一棟の土地であったという。
建築物にはめ込む大型ステンドグラスを少人数で作る工房を40年経営されているのだが、一週間の仕事の疲れを癒す為にも、毎週ここへ通っていらっしゃる。
現在、ジャックペット、クリン草など18種を植えて、その他、栗や柿なども植えていているが、さながら花の咲く春からの時期には地中海のような雰囲気すら感じる。


毎日在宅することが出来ないので、極力水を与えなくてよい植物を植える様にしているとのことだが、取材した冬のテラス廻りにはビニルシートを張って温室のような条件下を作り、シンビジウムなどのラン、10種以上のサボテン、風変りにレモンの樹木などが置いてあって、我々は暖かい日差しの中でお茶を頂いた。

この地を決めるときも、色々と谷合の地を探して亀岡や福知山、三田など土地を探したが、地理的条件(通う時間や気候風土)でここしかないとの結論に達してこの地を購入したという。
何にも増してもこの地が気に入ったのは、リスやイタチ、アナグマなども窓辺から姿を見ることが出来たり、若い時からの趣味であるトライアルバイク(山間や道なき道をバイクで走り自然を満喫するスポーツ)もゆっくり楽しんだり、アプローチの石畳や気になった家の部分の改装を思い立ったときに手作りすることもできる。
建物の使い方にしても、旧友の外国人たちが日本での宿泊地に利用して、主が不在でも10日以上滞在する場合や、彼の営む会社の社員たち、古くからの友人たちとのBBQをするにも自由な雰囲気がとても気持ちが良い。
家の中も倉そのもので壁は湿度調整する板張、床は以前畳だったのを自然木のフローリングに張り替えたものの、天井は木組みのままであくまで倉造り。窓や出入口を設けて、下屋改装でキッチンやトイレといった設備も充実していて生活には事欠かない。
手作りで日々家を触わって楽しむ柿原氏の人生経験にも興味が沸いて色々伺うと、ある切っ掛けで大学を出るとすぐにスペインのインテリア会社にスペイン語すら話せないままに就職し、その後地中海沿岸や北アフリカなど、車、バイクで旅行し色々な経験を重ねられた。当時の日本ではヒッピーの流行や学生運動などが激しく先行きの見えない混沌とした時期で、外国での日常生活や交友関係を武器に帰国後は起業したとのこと。そんな話を聞くと、男の城のような理想の住空間であることは、無造作に置かれている工具棚などにも表れていた。

猪名川町上阿古谷
柿原三徳(カキハラミツノリ)70歳

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arase

猪名川には30年以上住んでいて、人生の半分を超えました。 町内、これからも遊びまくりたいと思っています。