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猪名川まち協に注目~猪名川町まち協ファイル4

「伝統・歴史を受け継いでいく」

猪名川小学校区まちづくり協議会 構成メンバー/7自治会
平成20年6月29日設立 2,350世帯 5611人 会長:頭司正博(現 上野自治会長)

猪名川小学校区まちづくり協議会(以下、猪名川まち協)は、紫合(ゆうだ)、柏梨田(かしゅうだ)、上野、広根、広根ニューハイツ、若葉、パークタウン東の7自治会で構成される。近年の会長職は1年ごとの担当だが、今年は上野自治会長の頭司正博氏。残念ながらコロナの影響で既に令和2年度の活動はすべて中止としたが、次年に向けての準備は今秋から始める。

【猪名川まち協の特色】

猪名川まち協は今まで紹介したまち協とは一線を画し、田畑の土地や旧家の相続を背負う地域の親世代や子世代、新興住宅地を求めて移住してきた団塊の世代、第二期開発として新興住宅地に移り住んだ現子育て世代など、混沌と一緒に住まう地域であり、色々な思いの交錯する世代間交流として、一緒に楽しんだりお互いを思いやりながら地域課題を共有することは、2350世帯をまとめる会長職の苦労として想像を絶する。

【頭司会長にインタビュー】

大きなコミュニティを運営するため歴代会長の苦労を引き継ぐ重責を感じ、個別の活動それぞれは、小学生の参加が多く老若男女問わず多数参加できる内容で、高齢化が進む農作業に忙しい旧来の自治会会員でも参加しやすいコミュニティづくりに努めたいとおっしゃる。

猪名川小学校区は昭和30年の六瀬村との昭和の合併で猪名川町が誕生するまで中谷村の中心地であった。上野には商業施設が集中し、昭和初期、古美術商で財を成す冨田熊作氏も居住。広根はビジネス・官公庁が集積し、大隈重信内閣時、憲政会の下岡忠治議員出身地と、紫合・柏梨田も含め、自治会をわが自慢とする題材も多い。

写真は昭和45年頃の航空写真に現在の道路を重ねた。
左は昭和30年頃の上野の街道筋の町並み(商店が並ぶ)
右は同時期の広根の旧街道筋の町並み(当時のビジネス街である)

【猪名川まち協の活動】

猪名川まち協の活動は、他地区同様、「校区運動会」・「校区防災訓練」・「健康づくり事業」が3本柱である。ほとんどが単年度のスタッフではあるが、地域に住む住民同士が自分達で楽しめる企画をとの理念で活動している。例年の活動事業は、スポーツ文化部、環境安全部、健康福祉部、ふれあい事業、広報部に分かれる。

行政から期待される「スポーツ文化部」は校区運動会を、「環境安全部」は防災訓練をそれぞれ開催。色々アイデアを練るのが、「健康福祉部」の交流スポーツ大会や健康づくり運動、「ふれあい事業部」のハイキングや工作教室である。

【13チームが参加のグランドゴルフ】

健康福祉部は、主に高齢者の生きがい作りがテーマのように思う。
高齢者に人気の「グランドゴルフ」はこの地区でも活発であり、昨年夏の猪名川まち協グランドゴルフ大会では13チーム51名の参加者で競い合い、常日頃の練習の成果としてホールインワン賞も27本出たという。また健康講座と称して、食育を考えた講座も企画。地元野菜を使った料理教室や試食会も定期的に開催し、高齢者や子育て保護者にも人気がある。

【高齢者、小学生も参加の、まち協ウォーキング】

ふれあい事業部は、子どもを中心に保護者・高齢者とのふれあいがテーマのように思う。
約10年続く活動に小学校を起点に3~5kmを約1時間で巡るルートの「まち協ウォーキング」と、バスを利用するなど校区から町内外まで遠征する「まち協ハイキング」がある。
これを企画・先導するのは広根ニューハイツ在住の元・まち協役員。自身の趣味でもある町内のウォーキングルートは70コースを超えて、全て地図付きでA4サイズに纏まっている。同じルートでも少しづつ変化を設けてルートに悩むこともなく、毎月色々なコースを高齢者から小学生や保護者まで参加者15名前後はとても楽しんでいる。他の地区のまち協にも紹介できるコースが盛りだくさんある。
そのほか夏・冬休みに親子で工作教室を楽しんでもらうため、竹細工やソーラーモーターカー作り、凧作りなど、工作を得意としない保護者にも、わが子とふれあう経験の機会として重宝されている。
平成30年度からは親子映画祭と称して、家では味わえない体育館での大型スクリーンで親子で見て楽しむ映画会を開催、毎回たくさんの参加者でにぎわい主催者側にとってうれしい限りであろう。

【約150名参加のミニトライアスロン大会】

猪名川まち協として近年特にバックアップしているのは、夏休みにプールと運動場をフルに使った小学生を対象としたミニトライアスロン大会である。
元オリンピックトライアスロン日本男子チームコーチの八尾氏や有志で始めた活動が反響を呼び、既に10回を開催している。現在も一流オリンピック選手がサプライズで会場に来て、デモンストレーションを気軽にしてくれる会場の雰囲気も人気の秘密であり、幼い時からの礼節や真剣に取り組む姿勢を学べることが年々増える参加者の動機と想像できる。昨年度は町内児童をはじめ近隣市の小学生約150名が参加した。子どもたちの諦めない気持ち、必ずゴールする信念は周りの大人、特に保護者にとって感動はひとしおで、開催当日の夕飯時はさぞ親子の会話で盛り上がっていることだろう。

【まとめ】

この地区は旧来の地域と新興住宅地で構成される代表格であり、まち協としても大所帯の感覚や考え方の違いが顕在化する。思いやりをもって地域で一緒に暮らすためにも、まち協の役割はとても大きく、猪名川小学校区まちづくり協議会の今後の活動に期待するところはとても大きい。

 

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arase

猪名川には30年以上住んでいて、人生の半分を超えました。 町内、これからも遊びまくりたいと思っています。