ずっとこの家で暮らす

猪名川町最北部に位置する柏原に住む奥谷明子さん。
ご主人は現在71歳、生まれた時からこの地にお住まいで、定年までは町の職員もされていました。
奥様は尼崎からお嫁に来られて40年を超え、築87年の茅葺の家を大事に守らていましたが、20年位前から子どもたちも家を離れて、二人だけの高齢化生活を考えた時に改修をお考えになったとのこと。工事は約10年前にされたそうです。
地元の水道屋さんや大工さん、電気関係の仕事をする娘婿に依頼して、家の中心に炊事場(台所)を配置し、日中生活する居間とお便所やお風呂といった水回りを両側に配することで導線を短くする事にしました。
昔は土間であった水回りや一段上がった居間は、冬は寒くて上がり降りにも大変な労力でしたが、玄関部分で上り框を作って床を上げることで、それぞれの部屋へは段差をなくし、つまずきによる怪我の可能性を極力無くすこと、二人の生活なので冬などは暖房を兼ねた卓上の囲炉裏を設置することで全ての食事が手軽に済ませられるようにと考えられました。
知り合いの家の解体時に堀囲炉裏を譲り受け、大工さんに卓上に改造してもらい、膝への負担軽減を考えて、椅子での生活に移行するなど細かな希望を叶えてもらったとおっしゃっています。
コンセプトは、「自分たちが住み良いように変えること」。誰かが来るとかを考えるのでなく、あくまで自分たちの生活を中心に考える。
冬は囲炉裏を囲んで、猪鍋をするのが定番だという。昔ながらの田舎暮らしを求める人にとっての、究極の理想ではないかと思います。
この住宅を見せていただくと、これからの色々な高齢化社会に対する対応を想定して、町内におけるリノベーション・リニュオール工事のアイデアとして参考になると思います。
arase
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